連作の情景

連作の情景

上野の森美術館の「モネ~連作の情景」に行ってまいりました。

「国内外40館以上のクロード・モネ作品を厳選~革新的表現「連作」を生み出した過程に迫る」と題された通り、モネ100%の圧倒的な作品群。

印象派を代表するモネが、当時のサロン(宮展)を落選し続け、やがて心ある仲間たちと印象派を確立していく過程を鑑賞することができます。

モネは、同じ場所やテーマを、天候、時間、季節を通して、連作として描き続ける画家とは全く知りませんでした。美術の教科書に掲載されている「睡蓮」は、1点ものだと思っていましたし、まさかその睡蓮を300点以上も描いているとは、驚嘆しました。

さらにスイス、イギリスなどの世界各国の美術館等(日本からのコレクションも含まれています)が協力をしており、モネという画家そのものを感じることができるような気がしました。機会があれば、是非ご覧になってください。日本初公開の大作「昼食」も展示されています。


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「睡蓮の池」1918年頃 ジヴェルニー:モネは、フランスのノルマンディーにあるジヴェルニーにある自宅で幸せな半生を過ごしました。水面に映る樹木が睡蓮と溶け込むように交じり合うと説明文にありました。


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「睡蓮の池の片隅」1918年 ジヴェルニー:モネ77歳の作品。睡蓮を浮かべた池の奥には、薔薇の茂みが見えます。草木で覆いつくされて空を見えないのですが、夏の日差しが注ぎ、濃密な明るさを画面に加えていると説明にありました。


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上野の森美術館を出て、ふと空を見上げると色づく秋の風景が。モネ展に併設されていたショップも賑わっていました。

最後にタイトル画像の睡蓮の絵画について説明します。

「睡蓮」1897年-98年頃 ジヴェルニー:モネは自宅に造った池で睡蓮を栽培し、周りには柳やポプラを植えました。タイトル画像の作品は、モネが最初に描いた睡蓮で、大ぶりなふたつの花とまるい葉が暗い水面に浮かんでおり、空や樹木の映り込みや光と水が戯れるような表現がまだ見られず、モネの描写の研究に没頭していた頃の作品と説明されていました。

※写真撮影が許可されている作品を掲載しております。

上野の森美術館の「モネ~連作の情景」:https://www.monet2023.jp/

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