躑躅にまつわる話

躑躅にまつわる話

春から初夏にかけて躑躅(ツツジ)が咲き乱れています。思わず目を奪われんばかりの光景です。

躑躅という漢字の由来ですが、躑(てき)は、"足踏みする"という意味があり、躅(ちょく)は"足摺りする"という意味があります。そのため"進むことができない状態"という意味になるそうです。

『思わず足を止めてしまうほど美しい』という意味で躑躅であればよいのですが、元々は"羊躑躅"という漢字だったそうで、躑躅を食べた羊が足踏みをして、その場で息絶えたことから躑躅になったのだとか。

つまりは躑躅は有毒なのです。毒のない種類も中にはあるのですが、区別は難しいとのこと。
※東京都福祉保健局では、レンゲツツジは誤食部位や症状を記載し注意喚起しています。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/dokusou/23.html

また長野県の伝説に「つつじのおとめ」があります。

一時も離れたくはないと、逢瀬を繰り返す若い男女がいました。毎晩のように男の元に通う女は家を出るときに両手に米を握りしめており、たどり着くと米は餅になっているほどだったそうです。ある夜、酷い嵐の夜がありましたが、愛情深い女は男の元に通ってきたのです。それを見て男はこんな嵐の中にやってるくのは、人ではなく、妖怪だ、と勘違いし、女を崖から突き落として死なせてしまったのです。その際に流れた血が、真っ赤な躑躅となって咲いた、という話もあります。

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躑躅にまつわる話を調べるうちに、子供のころ、そこら中のツツジの花の蜜を吸っていた記憶がよみがえりました。

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