薄・茅・尾花
ススキは茅葺屋根に、家畜の餌にも利用されていました。秋の七草の一つとして尾花とも呼ばれています。
昔は有用植物として集落の近くにはススキ草原があり、定期的に刈り入れされていました。
そして"中秋の名月"である"十五夜"にはお月見のお供え物として月見団子と一緒に飾る風習があります。
理由は稲穂の代用とのこと。"中秋の名月"の時期は稲穂が実る前のため、穂の出たススキを飾ったのです。
古代より、ススキは神の依り代と考えられていました。茎の内部が空洞となっているため"神様が宿る"と信じられていたのです。またススキの茎の切り口は鋭いので、魔除けの効果もあるのだとか。
お月見にススキをお供えすることにより、悪霊を退散させ、災害から身を守り、翌年の豊作を心から願うという想いが込められているのです。