祈り、畏れ、捧げた ~ 特別展「古代メキシコ」後編

祈り、畏れ、捧げた ~ 特別展「古代メキシコ」後編

祈り、畏れ、捧げた ~ 特別展「古代メキシコ」前編(https://www.mylevel.co.jp/cmb/post_96.html)からの続きとなります。

【アステカ文明】
アステカ文明は、前14世紀にメキシコ高原に進出したアステカ人によって生まれた文明です。国家行事を行うために「シウポワリという太陽暦(365日暦)」を使用していました。

また「人身御供」の儀式も有名で、太陽はいつかは消滅するという「終末信仰」があり、新鮮な人間の心臓を神に奉げることで、太陽の消滅を先延ばしにすることができると信じられていました。

タイトルの画像にあるのは、「鷲の戦士の像(1469~1486年頃)」と呼ばれる土器です。戦闘や宗教において重要な役割を担った勇敢な軍人や太陽神の姿を荒らしているという説があります。

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「夜空の石板(1325~1521年頃)」は、夜空を描いた安山岩に浮彫された石板です。両脇に金星と星、中央には、鷲と兵士が彫られており、戦争や生贄で亡くなった兵士の魂は、太陽と共に、天球上を旅しなくてはならないと言われていました。

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「トラロク神の壺(1440~69年頃)」は、彩色された土器で、雨と豊穣の願いがこめられた雨神として大神殿に祀られていました。多くの供物に加えて、生贄も捧げられたとのことです。

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「テスカトリポカ神の骨壺(1469~81)」と呼ばれる土器は、「煙を吐く鏡」を意味する万物の神テスカトリポカが描かれています。中には戦場で戦死した指揮官ではないかと考えられる焼かれた骨が納め得られていました。

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「テポナストリ木鼓(1325~1521年頃)」は、宗教儀礼や戦争の場で演奏された木製の打楽器です。音が良く伝わるように上下に銅が使われていて、天然ゴムをつけた撥(ばち)で叩いて演奏をしていました。


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最後に、トルテカ文明(テオティワカン崩壊後の7世紀から12世紀に栄えた文明)時代の「トゥーラのアトランティス像」をご紹介します。玄武岩に彩色された防具をつけた戦士の像で、その恰好から王座の支えだったと考えられています。可愛らしい姿から特別展の販売コーナーでは、ぬいぐるみななどのアイテムとして販売されていました。

古代メキシコ文明は、16世紀にスぺイン人によって征服されて滅ぼされるまで、他の文明にはない独特な文化を形成していました。簡単に語りつくすことはできませんが、良い体験をさせていただきました。

以上、前後編に渡ってお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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