冷夏に見えて、冷夏にあらず 世界を覆う危険な暑さ

冷夏に見えて、冷夏にあらず 世界を覆う危険な暑さ

今年の初夏は、過ごしやすく、梅雨らしい季節となりました。去年は、日本各地で異例の猛暑となっていました。

こうした梅雨空が続いたり、雨で気温が上がりきらなかったりすると、「今年は冷夏なのだろうか」と感じる日があります。しかし、2026年の夏は、単純に冷夏と見るよりも「一時的に暑さが抑えられている時期があるだけ」と考えたほうがよさそうだとのこと。

気象庁の見通しでは、7月から8月にかけては全国的に気温が平年より高くなる予想が示されています。さらに春からはエルニーニョ現象が発生しているとみられ、秋にかけても続く見込みとされています。

ブログでも過去に取り上げましたが、エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道付近、とくに中部から東部の海面水温が平年より高くなる現象です。海の温度が変わると、上空の風や雲のでき方も変わり、世界各地の天候に影響を与えます。日本では、エルニーニョの年に太平洋高気圧の張り出しが弱まり、冷夏傾向になることもありますが、今年はそれだけでは説明できません。地球温暖化による気温の底上げ、日本周辺の海面水温、太平洋高気圧やチベット高気圧の動きなど、複数の要因が重なっているためです。

一方で、欧州やアメリカでは、すでに命に関わる熱波が発生しています。欧州では、イベリア半島方面から広がった熱波により、各地で40℃前後の記録的な暑さとなり、健康被害やインフラへの影響も出ています。アメリカでも、西部や南部を中心に、乾燥や高気圧の停滞が重なることで、長く厳しい暑さになりやすい状況が続いています。

ここで出てくる言葉がヒートドームです。これは、強い高気圧が同じ場所に居座り、熱い空気をふたのように閉じ込める現象です。空気は上から押し下げられることでさらに暖まり、雲もできにくくなります。そのため、昼は猛烈に暑く、夜も気温が下がりにくい状態が続きます。

世界全体を見ると、暑さは一部の地域だけの話ではありません。WMO(世界気象機関)の見通しでは、7月から9月にかけて、東アジア、南欧、北アフリカ、アラビア半島、インド亜大陸、北米西部、中南米の一部など、広い範囲で平年より高温となる可能性が高いとされています。南半球の南米は季節としては冬ですが、それでも北部を中心に高温傾向が示されています。東アジアも例外ではなく、日本、中国、韓国などを含む広い地域で、暑さと大雨が同時に意識される季節になっています。

つまり、今起きていることは、「日本だけ涼しく、欧米だけが暑い」という単純な話ではありません。地球全体の気温が上がるなかで、偏西風の蛇行、高気圧の配置、海面水温、エルニーニョなどが重なり、地域ごとに暑さの出方が違っているのです。

日本でも、梅雨明け以降は一気に暑さが強まる可能性があります。気象庁は2026年、最高気温40℃以上の日を酷暑日と呼ぶことを決定しました。これは、40℃を超えるような顕著な高温が、もはや特別な出来事ではなくなりつつあるとも言えます。

これからの夏は「暑いかどうか」ではなく、「どの程度危険な暑さになるのか」を意識する時代なのかもしれません。無理をせず、気候の変化を正しく知り、暮らし方や働き方を少しずつ変えていくことが、これまで以上に大切になってきていると感じています。

池尻稲荷神社に参拝に足を運びました。境内には井戸があり、手水舎を兼ねた「薬水の井戸」として有名です。

かつて京都の伏見稲荷大社の稲荷山に御鎮座の薬力明神の託宣(たくせん)により<神の道を信じ勤め、その病気の平癒を心に三度祈念し、神の道の薬として飲みほせば薬力明神の力により病気立ち所に快癒す>と伝えられています。
出典:池尻稲荷神社のホームページより

池尻稲荷神社の手水舎には、色どり豊かな花が浮かんでおりました。これから迎える酷暑日など、想像できない日々に7月を迎えました。

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